睡眠時無呼吸症候群の治療

 睡眠中の「いびき」の改善のために歯科医が口腔内装置を応用し始めてから、およそ100年近くになろうとしています。この間に、口腔内装置は睡眠時無呼吸症候群の治療にも有効であるということがわかり、昨年からは歯科健康保険にもスリープ・スプリントとして導入されました(図を参照)。

スリープスプリントは、睡眠中も気道を閉塞させないために下顎を前方に位置させるマウスピースのような装置です。最近の報告では、「いびき」や軽度から中等度の睡眠時無呼吸に有効であるとされる一方、少数ではありますが使用上の問題も見受けられます。
 スリープスプリントは下顎を前方に位置させるという装置の構造上、顎関節や周辺の筋肉にある程度の負担を掛けてしまいます。したがって、定期的に歯科で検査を行い、これらの部位に問題が生じた場合には速やかに対処する必要があります。通常は、比較的簡便なセルフケアーなどで十分に対処でき、深刻な問題に発展することはありません。米国の報告では1、使い始めてから3年後の調査でスリープスプリントを継続的に使用している人は50%にとどまっています。したがって、治療後も経過を観察し適切な助言なりサポートを受けるということは、睡眠時無呼吸を長期的に管理していくという点で重要なこととなるでしょう。
 当センターでは、定期的な診査を充実させ、他科と連携しながら睡眠時無呼吸症候群の適切な管理に努める所存です。

1.Clark GT, Sleep Med Rev 1998;2:163-174.

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